贄の街 6

「奥様がディルドに馴染んでいく姿を映像で毎日拝見しました」

 静代の視線が揺れる。目のふちが赤い。

「映像で見た限りでは彼らとのファックよりも、今はディルドのほうが奥様の反応がよいのでは、と感じます」

 静代は口からペニスを吐きだして首を振る。幼児がいやいやをするように。

「とても馴染んでいるご様子。我々としても、うれしい限りです」

 ほんのひと舐めしかさせていないが、小松田は跳ね起き、軽業師のごとくベッドから降りた。

 下に置いた鞄の中に手を入れた。引き出した手にはペニスの形をした張形がにぎられていた。それを自分の下腹部に並べた。

「あ!」

 声をあげたのは池村だった。

 なんと、小松田のペニスと同じ形をしているのだ。睾丸まで不気味に垂れ下がっているではないか。それも小松田の睾丸と瓜二つ。

「彼らが奥様の肉壺をほぐすために使っていたたディルドです。エレクトした状態の型を取りました。奥様の肉壺に彼らがザーメンを注ぎ入れている映像を、繰り返し見ながらエレクトさせました」

 静代の人権を徹底して踏みにじる。静代の頬がみるみる赤く染まる。

「奥様の肉体改造を一層進めなければなりませんので、早くから馴染ませておいたほうがよいだろうと判断しました。僕とのファックでうんとエクスタシーを得て欲しいと思ったからです。僕が奥様を担当することは初めから決まっていましたので」

 妙に中性的な笑みを見せた。

 静代の手を取って睾丸をにぎらせる。

「グニグニ感も似ているでしょう。僕のキンタマに初めて触れた時に反応していましたね。さすが奥様です」

 静代の過敏な反応が腑に落ちたが、あんなものまで作って女性を辱める彼らに嫌悪した。瑞枝のショーを期待して、のこのこやってきた自分も似たようなものだが。

 まさかここに吉田部長がきているのでは。

 にわかにそんな疑問が頭に浮かんだ。瑞恵の夫の児島にも連絡があるくらいだから、吉田にも連絡がきている可能が高い。四方の鏡を見つめ、急に落ち着かない気分となった。

「あんなにイヤがっていた彼らとのファックが、どんどん好きになっていくのが映像でわかるのですが、奥様が小便を吹き上げながらエクスタシーに達した映像は、まだなかったですね」

 静代の顔が赤くなる。

 執拗に言葉で責め立てながら、鞄の中に手を突っ込んだ。「これこれ」といいながら、もっと大きなディルドを取りだしたのである。

 それを見て身震いする静代を見て、池村はふと思い出した。小松田のペニスをかたどったディルド見たときに、静代が「これも」と、漏らしたのである。どういう意味だろう。あの大きなディルドも誰かのをかたどったのだろうか。

 二つのディルドを比べると、あとから取りだした方が圧倒的に大きい。亀頭がゲンコツのように膨れあがり、茶褐色の本体には太い血管が全体を覆うようにして複数本浮きでている。

 かたどったディルド――小松田のペニス――は木彫りの彫刻ようにきれいな形をしているが、大きい方は原生林の幹のように荒く逞しい。色も濃く生々しいが、巨大さがあまりにも不自然だ。想像の品に違いない。

「これを奥様の肉壺には使ってはいけないことになっています。奥様専用のアナル棒なので」

 え……。

 池村はギョッとした。どういう意味だ。あんなものが――入るのか。

 小松田は「おや」と声をあげた。天を向いていたペニスが、空気の抜けた風船のようにだらりと垂れたからだ。

「これでは奥様を悦ばせることができません。もう一度、肉壺からあふれる臭うネバネバを味わえばエレクトすると思います。アナルを開花させるようにして気張ってください。しっかり内臓まで見せてください」

 恥じらう静代を仰向けに押し倒した。パンティを引き下ろして、両脚を持ち上げた。片方の足首にパンティを絡めたまま。

「アナル舐めで僕はオナラはしませんでしたが、奥様のように美しい女性であればオナラをしても構いません。うん、それ、いいですね。ではお返しにマン舐めとアナル舐めを」

 後半は唇を押しあてたままもごもごとしゃべった。静代のか細い悲鳴。ディルドがシーツにごろんと転がる。小松田はどこまでも静代を貶める。

 膝をMの形に折り曲げて、花びらの中で唇を滑らせた。ふっくらした陰唇は唇で引っ張るようにして吸いしゃぶった。

 皮を裂いて丸々姿を見せた、サヤエンドウの豆のような陰核を強く吸い込み、口中でねぶりまわした。舌が膣の中に潜り込んでいるが見え隠れする。唇を離し、ゆっくりと舌を抜いていく映像を見せる。再び舌先を窄めて舌を差し込んで唇でピタリとフタをする。大きな頭部を振り回して静代を啼かせた。

 四つん這いにして散々舐め尽くした部分、菊門に小松田の舌が伸びる。静代は甲高くいななき、きゅっと臀部の肉を収縮させた。シーツに這いつくばる小松田の髭がシーツに擦れ、ざりざりと音を立てた。

「ああ、どうしてッ――」お尻ばかりを……そんな言葉を続けようとしたのだろうか。

 今度は静代の足を引き、横から抱きついた。

 強引にうつぶせにさせた静代の背に乗る。小松田の顔が静代の尻にある。静代の頭部の方向にある短い足が、くびれた胴に巻き付く。

「いや、いやッ」

 力の入った尻たぶを思い切り割り開いた。

「か、堪忍してください、ヒ、ヒィ」

 かき分けるようにして探り当てた菊門に吸いついた。そのまま小松田は体を伸ばす。ペニスを頬張らせようとしているのだろうが、身長差がありすぎて届くはずもない。

「いやーッ」

 静代が長い髪を乱してひときわ身悶えた。

 唾液で濡らした菊門に指先を潜り込ませたのである。

 モニターは太くて短い指先が少しずつ潜り込む様子を映している。付け根まで潜り込むと静代は「うぅん」と呻き、白いうなじを見せた。

 手の甲の分厚い筋肉が蠢く。短いといえど深々と食い込ませた指は直腸壁に強い刺激を与えているだろう。両足で静代の胴体を締め付け、動きを封じている。

「奥様のアナルはなんて温かい。括約筋の締まりも素晴らしい。彼らがいっていたとおりです。でも、僕の指ではこれ以上深く入りません」

 あの太いディルドを『アナル棒』といった。あれで静代は貫かれているのだ。だとすれば小松田のペニスくらい難なく呑み込む。

 指先を抜いたあとを広げてみせた。濡れた花びらをもモニターに映すしだす。カメラは天井にもある。あらゆる角度で映しだしていく。括約筋が緩んでいるのだろうか。小松田の指の太さよりもおおきな穴がポッカリと空いていた。

 なぜ静代がこの組織に囚われの身になったのかは分からないが、静代がアナルセックスを経験していたとは思えない。今はすでに組織の手により、アナルセックスの可能な肉体に改造されていた。これが清楚な人妻の運命だったのか。

 小松田がディルドを手にした。自ら先端をしゃぶる。その映像のアップは吐き気をもよおすほど不快だった。

 唾液まみれのディルドを菊門に宛がった。何をされるかわかった静代はうろたえた。

 小松田は無防備な菊門にねじ込んでいった。静代は口の方にも透明のディルドをくわえ込まされたような、今にも嘔吐するかのような表情でうなじを反らせている。この『アナル棒』で菊門を拡張されたのは事実なのだ。

 長さもさることながら太さも尋常ではない。まわりの肉を引きずり込んで、肥大した腫瘍のような亀頭をぐっぽり呑み込んだ。小松田は含ませた先端部分を容赦なく引っ張った。

「はうッ」

 静代は金魚のように口をぱくぱくさせ激しい息を吐いた。括約筋が痛々しげに捲れ返り薄く伸びる。

 菊門はフジツボのような形で隆起する。抜かせまいとするかのようにディルドに絡むように。茶褐色のせいで極太の便のようだ。静代の哀れな姿に池村は悲愁した。

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